
Auntie
英語中級者のみなさん、ポッドキャストを「聞き流すだけ」で終わらせていませんか?
本記事では、上級シャドーイングやディクテーションなど、今日から実践できる7つの学習法で、リスニングとスピーキングを同時に伸ばす方法をご紹介します。
上級シャドーイングで耳と口を同時に鍛える
シャドーイングは、語学習得における最も効果的なトレーニングのひとつです。
しかし、ただ続けるだけでは不十分。
英語力を本気で伸ばすには、「上級テクニック」の習得が鍵となります。
セグメントシャドーイング
音声は「短い文」単位ではなく、5~10秒程度のまとまり(セグメント)毎に捉えることで、文全体のリズムや情報のつながりを体得することが狙いです。
- セグメントを切り出す
5~10秒ほどの意味のまとまりを選んで音声を区切る - イントネーションとつながりを聴き込む
繰り返し再生しながら、強弱・リズム・リンキングを丁寧にキャッチする - ほぼ同時に発声する
聞こえてくる音声にできるだけ遅れず、かぶせるように声に出して真似る - 反復練習
1つのセグメントを5~10回ほど繰り返し、文全体の流れと情報のつながりを身体に染み込ませる
セグメント単位で練習することで、文全体の流れやリズム感をしっかり身につけられます。
リバースシャドーイング
ただ真似るだけではなく、先に話してみることで自分の弱点を明確にし、より能動的に音声を理解し再現します。
- スクリプトを読む
構造と意味を把握する - 音声を一時停止する
文ごとに止める。 - 自分で発話する
発音・イントネーションを意識し、音声と比較する
この能動的な手順こそ、聞き取り精度と自発的なスピーキング力を同時に高める鍵です。
実践的ポッドキャスト英語トレーニング法
一般的な学習では物足りないあなたへ、言語習得の裏技とも言える、少しマニアックなテクニックをご紹介します。
プロソディ注視で自然な英語の抑揚を身につける
イントネーション、ストレスパターン、リンキングを正確に模倣しながら、文中の「音の重心(最も伝えたい部分)」を捉え、より自然で意味の通じる発話を身につけるテクニックです。
英語では重要語を強く、機能語を弱く短く発音することで意味が際立ちます。
- 番組を選んで聴く
ネイティブ音声の短いフレーズを繰り返し聴く - 聞こえたまま音読する
聞こえた音声にかぶせるように発声し、抑揚とリズムを覚える - サウンドルールをチェックする
イントネーション:文末の上がり下がりや感情表現を再現する
ストレス:内容語を強く、機能語を弱く短く発音する
リンキング:単語同士のつながり(例:want to → wanna)を再現する - 自分の発話を録音して比較する
自分の発話を録音し、オリジナル音源と聞き比べて修正点を洗い出す
プロソディ(言語の音声的な特徴)を意識すれば自然なリズムが身につきます。
マイクロディクテーションで精密な聞き取り力を養う
ディクテーション(音声を聞いて書き取る学習法)を、より細かい単位に分割して実施するトレーニングです。
音声の細かな連結や弱く発音される語、同音異義語に注意を向けることで、聞き取りの精度と音の識別力が高まります。
- 書き取り
10~20秒ごとに停止し、一語一句をできるだけ正確に書き取る - フレーズ単位での復元
書き取ったメモから未把握の構文や単語を抽出する
再度、音声を確認して穴埋めをする - エラー分析
スクリプトと照らし合わせ、リンキングの聞き逃し・弱形表現の見落とし・語彙知識不足などミス原因をチェックする
字幕&トランスクリプト活用『3パス法』
3パス法は3段階を一度のセッションで回すことで、字幕に頼らない聴解力と自然な発話力をバランスよく鍛えられます。
- 字幕ON ― 大意把握
文脈・映像・イントネーションだけを頼りに全体像をつかむ - 字幕ON ― 難所を確認する
知らない単語や聞き取れない箇所をスクリプトで補強する - 字幕OFF ― シャドーイング
再び字幕を消して、ネイティブのスピード・リズム・リンキングを身体に染み込ませる

Auntie
エピソードは細切れ(中級者なら30~45秒、上級者なら1~2分)に区切るのがポイントです。
カバー&リコールで記憶と発話をリンク
テキストの一行を隠して声に出して暗唱し、そのあと元の文と照らし合わせて正誤を確認する学習法です。
- テキスト(トランスクリプト)を準備
10~15語程度の英文を選ぶ
知らない単語は事前に意味と発音をチェック - 一行だけを隠す
ノートや紙、ポストイットで対象の一行だけを覆う
それ以外の部分は見える状態にしておく - 暗唱する
隠した行を声に出してできるだけ正確に言う
音声のリズムや抑揚も意識しながら取り組む - 答え合わせ
隠した部分を開き、オリジナルと比較する
誤りや抜けをチェックし、正しい表現を確認する - 復習サイクル
30分後、1日後、3日後など、間隔を空けて同じ行を再度暗唱する
コロケーション学習で自然な表現をストック
“make a decision” “pose a risk” のような定型的な語の組み合わせ(コロケーション)をまるごと覚えて、自然な表現を身につける方法です。
単語を単独で覚えるより、定型表現で覚えることで、より自然な英語表現が身につきます。
- 興味のあるポッドキャストを選ぶ
自分の興味に合う番組を用意する - フレーズを抽出する
動詞+名詞、前置詞句、慣用表現などをピックアップする - メモにまとめる
英文フレーズ、日本語訳、使用例(自作文でもOK)、発音のポイントを記録する - 定期的に復習・活用
単語帳やアプリに登録し、日記や会話で使う
中級者におすすめのポッドキャスト番組
『Culips ESL Podcast』
【レベル】入門・初心者レベル~マスタリーレベル
【おすすめポイント】イディオム、リアル英語、やさしい英語など複数シリーズを展開。学習ガイド付きで体系的に学べる。
【主なトピック】日常表現、イディオム、会話スキル
【提供】Culips English Podcast
『VOA Learning English – Voice of America』
【レベル】初級レベル~中級レベル
【おすすめポイント】ゆっくり・明瞭に読まれるニュースと語彙サポート付き。時事や教養を英語で学べる。リスニングスキル向上の自主学習アイデアも提案。
【主なトピック】国際ニュース、科学、健康、文化
【提供】Voice of America
『Circle Round – NPR』
【レベル】初級後半レベル以上
【おすすめポイント】世界各地の民話を音楽や効果音とともに朗読。リスニング力と文化理解を同時に伸ばせる。
【主なトピック】民話、文化、物語理解
【提供】NPR
『All Ears English』
【レベル】中級前半レベル
【おすすめポイント】自然なアメリカ英語表現と文化的ヒントを、フレンドリーなホストが実際の場面を交えて紹介。自信を持って話せるようになる内容。
【主なトピック】日常会話、文化、コミュニケーションスキル
【提供】All Ears English, LLC
『English Learning for Curious Minds』
【レベル】中級レベル~上級レベル
【おすすめポイント】実際の世界の興味深いテーマを、ややゆっくりめの英語で解説。インタラクティブなスクリプトも利用可能。
【主なトピック】歴史、社会、文化、科学
【提供】Leonardo English
『American English Podcast』
【レベル】中級レベル~上級レベル
【おすすめポイント】日常で使える表現、発音のコツ、文化的なストーリーを交えたレッスン。スクリプトと繰り返し学習で理解を深められる。
【主なトピック】主なトピック:アメリカ英語の表現、発音、文化エピソード
【提供】Shana Thompson

Auntie
ポッドキャストアプリの検索欄に番組名をコピー&ペーストすると、すぐに見つけられます。
ニュース・ビジネス・学術系番組の選び方
ビジネスレポートや学術対談など専門性の高い番組は、実践的な語彙と速さに慣れる近道です。
- 自分の業界や興味分野に関連するテーマ
- 1エピソードが10~20分程度で区切りやすいもの
- トランスクリプトや文字起こしがあると理解度アップ
以上のポイントを参考に、番組を選んでみてください。
最後に
ポッドキャスト学習で成果を出すには、ただ聞くのではなく「再現」と「分析」が不可欠です。
自分の伸ばしたいスキルに合わせてテクニックを選び、習慣化することで、英語力は確実にステップアップします。

ほぼ日々英語管理人レイジーれいじのおばAuntieです。
現役英会話講師。英検1級。TOEIC975点。れいじの学習を応援中です。
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