はじめに
英語で大きな数字や金額を正しく読むことは、ビジネスや日常の会話で信頼感を得る大切なスキルです。
この記事では、初心者でも迷わず使える読み方のルールと例をわかりやすく紹介します。
基本のルール
- 2桁の数字:「十の位+一の位」で読む
(例:23 → twenty-three) - 100までの数字:hundred を使う
(例:100 → one hundred) - 単位(hundred / thousand)に “s” は不要
(例:two hundred)(誤: two hundreds) - “and” は省略されることも多い
(例:one hundred twenty-three) - 0(ゼロ)の言い方は文脈で変化
(例:数字:zero / イギリスの数値:nought / 電話番号:oh / サッカーの試合結果など:nil)
※詳しくは、前回の記事をチェックしてみてください。
基本の単位とその読み方
100 → one hundred(複数形にしない)
1,000 → one thousand
1,000,000 → one million
1,000,000,000 → one billion
1,000,000,000,000 → one trillion
英語では、大きな数字を読むときに3桁ずつカンマで区切り、その区切りごとに単位を意識して読みます。
【例】
312,580,747 → three hundred twelve million, five hundred eighty thousand, seven hundred forty-seven
数字のスタイルとバリエーション
単位の数え方
単位は単数形で使います。
five million dollars
five millions dollars
hundreds / thousands など s をつけるのは数量が不明なときのみです。
【例】
hundreds of people(何百人もの人)
“a” と “one” の違い
英語の “a” と “one” はどちらも「1つ」を表しますが、実はニュアンスや使い方に微妙な違いがあります。
表現 | スタイル | ニュアンス |
---|---|---|
a hundred | カジュアル・口語的 | 自然な会話の中でよく使われる |
one hundred | ややフォーマル・強調 | 数を強調したい時やきっちり伝えたい時 |
“a hundred” は、ラフで親しみやすい響きで、日常会話でとてもよく使われます。
“one hundred” は、数量をしっかり伝えたい時や、少しかたい文体にしたい時に向いています。
“and” のルール(英式 vs 米式)
100以上の数字で、下2桁がある時に “and” を入れます。
111 → one hundred and eleven
1,012 → one thousand and twelve
00で終わる時は “and” を入れません。
1,100 → one thousand and one hundred
17,300 → seventeen thousand and three hundred
100以上の数字では、アメリカ英語では “and” を 省略することが多いです。
数字 | イギリス英語 | アメリカ英語 |
---|---|---|
111 | one hundred and eleven | one hundred eleven |
1,012 | one thousand and twelve | one thousand twelve |
1,100 | one thousand one hundred | one thousand one hundred |
17,300 | seventeen thousand three hundred | seventeen thousand three hundred |
アメリカ英語の略式発音:”twenty” が “tweny” に聞こえる
ネイティブスピーカーは、日常会話で音を省略して話すこと(略式発音)がよくあります。
ネイティブは話すスピードが速いため、“twenty” の語中の “t” が弱くなり、“tweny” のように聞こえることがあります。
これは、音が滑らかにつながることによって “t” の音がほとんど消えてしまう、“フラッピング(flapping)” と呼ばれる現象で、アメリカ英語特有の発音変化のひとつです。
発音記号では、[ˈtwɛni ] や [ˈtwʌni ] などと表され、音が滑らかにつながる話し方になります。
よくある間違いと対策
× 読みにくい大きな数字 → ○ 桁で区切り、単位を明確に
大きな数字を読むときは、3桁ごとに区切って、リズムよく発音するのがポイントです。
“million” や “billion” などの単位はしっかり発音することで、聞き取りやすくなり、数字の誤解も防げます。
× “two hundreds” → ○ “two hundred”
日本語で「二百」と複数形にしないのと同様に、英語でも “hundred“ には “s“ をつけません。
“hundred“ “thousand“ “million“ は数を示す単語ですが、複数形にせず、そのまま使うのがルールです。
詳しくは、この記事内の『単位の数え方』をチェックしてみてください。
× “and” の乱用 → ○ 省略するのが自然
数字の読み方で “and” を入れる人が多いですが、アメリカ英語では100以上の数字に “and” を入れないのが一般的です。
123 → one hundred twenty-three
(アメリカ英語では自然)
123 → one hundred and twenty-three
※間違いではない
イギリス英語では “and” を入れることがありますが、アメリカ英語では省略した方がすっきり聞こえます。
詳しくは、この記事内の『“and” のルール(英式 vs 米式)』をチェックしてみてください。
よく使う別の表現や応用テクニック
数字の口語表現:1,500 → “fifteen hundred” の使い方と場面
英語で 1,500 は “one thousand five hundred” と言えますが、会話ではより短く “fifteen hundred” と表現されることが多いです。
ネイティブスピーカーはテンポ重視で話すため、口語ではこの言い方が自然に響きます。
数字 | カジュアルな言い方 | 通常の読み方 | 使用場面 |
---|---|---|---|
1,500 | fifteen hundred | one thousand five hundred | 日常会話、口頭 |
2,300 | twenty-three hundred | two thousand three hundred | SNS、カジュアルな場面 |
4,800 | forty-eight hundred | four thousand eight hundred | 簡潔に伝えたいとき |
文書や正式な場面では、数字を正確かつ明瞭に伝える必要があるため、略式の “fifteen hundred” よりも、“1,500” や “one thousand five hundred” といった形式的な表現が好まれます。
“K” で表す数字のルール
英語では、数字を簡潔に表すために “K” = 1,000 を意味する略式表現が使われます。
これは、“kilo” = 千(1,000) を意味する接頭辞から来ており、情報・金額・SNSのフォロワー数など多くの場面で登場します。
表記 | 意味 | 説明 |
---|---|---|
1K | 1,000 | 1,000 の略 |
3K | 3,000 | “three thousand“ の簡略形 |
20K | 20,000 | 主に金額や人数の表現に使用される |
1M = 1,000,000(百万)など、“K” の上位には “M” や “B” があります。
正式な文書や契約では避けられることも多いので、使う場面には注意しましょう。
「約○○」や「ざっくりした数字」を伝えるときのコツ
英語で「およそ」「約○○」というニュアンスを伝えるには、“approximately” や “about” を使います。
特にカジュアルな会話では “about” のほうが自然に響きます。
【例】
about two thousand
(約2,000)
【例】
approximately 100 people
(およそ100人)
桁数が多い数字は、小数点や単位(million/billionなど)を使って簡潔に表現します。
表現形式(95億を読む場合) | 読み方 | ニュアンス |
---|---|---|
9.5 billion | nine point five billion | ざっくり伝える簡易表現 |
9,500,000,000 | nine billion five hundred million | 正確に伝える |
“9.5 billion(nine point five billion)” は、「約95億」とざっくり数字を伝えたいときに使える便利な表現です。
プレゼンや会話で簡潔に伝えたい場面にぴったりです。
一方、“nine billion five hundred million” のように区切って読むと、リズムよく、聞き手にとってもわかりやすくなります。
最後に
大きな数字の表現は英語学習でもつまずきやすい分野ですが、ルールを押さえるだけで一気に自信がつきます。
ビジネスやプレゼンにも役立つので、ぜひ日常会話でも積極的に使ってみてください。

ほぼ日々英語管理人レイジーれいじのおばAuntieです。
現役英会話講師。英検1級。TOEIC975点。れいじの学習を応援中です。
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